2018年 05月 03日
ボリウッド・デビュー |
先週は、インドのムンバイ市にあるタタ研究所の理論物理学部門の評価委員を依頼されて、インドに行っていました。
3日間の評価委員会の翌日は、研究所のセミナーで講演をしました。インドでは、ムンバイ市のタタ研究所の他に、バンガロール市の国際理論科学センターとアラハバード市のハリス・チャンドラ研究所に弦理論の大きな研究グループがありますが、私のセミナー講演には、ビデオ会議でバンガロールとアラハバードのグループも参加してくれました。
夕方にはムンバイ市内のネルー・プラネタリウムで、一般講演会と科学映像作品『9次元からきた男』の上映会をしました。ボリウッド・デビューです。
せっかくの機会なので、インドの民族衣装のクルタの上にネルー・ジャケットを着て講演しました。
上映後にはスタンディング・オベーションがあるなど、とても好評でした。
会場には、タタ財団の理事の方々やインド準備銀行副総裁など政財界の方々、ムンバイの芸術関係の方々などもいらっしゃり、盛り上がりました。
さて、3月にホーキングさんがお亡くなりになったので、雑誌『日経サイエンス』6月号に「ホーキング追悼」の特集がありました。
ホーキングの業績についての記事を依頼されたので、書いてみたら、9000字、紙面で7ページになってしまいましたが、そのまま掲載していただくことができました。「ホーキングの遺産」というタイトルです。
また、この特集では、最初にカブリIPMUの村山斉機構長の2ページのインタビュー、ホーキング自身の解説記事「ブラックホールの量子力学」も掲載されています。
私の記事の前書きを再録します:
「理論物理学者には,抽象的・概念的な思考に長けている人と,具体的な問題を解くための数理的な技術に長けている人という2つのタイプがある。だがこの3月14日に生涯を終えたホーキング(Stephen W. Hawking)は,大胆な発想と概念的な思考とともに,そのアイデアを最後まで突き詰めることのできる強靭な数理技術を併せ持つ稀有の科学者であった。英オックスフォード大学のペンローズ(Roger Penrose)との共著の宇宙の特異点定理の証明や,ブラックホールの蒸発を予言したホーキング放射の論文はとりわけ名作であり,読むたびごとに以前には気がつかなかった新しいアイデアが見つかる。彼が科学に記した足跡を振り返ってみたい。」
3日間の評価委員会の翌日は、研究所のセミナーで講演をしました。インドでは、ムンバイ市のタタ研究所の他に、バンガロール市の国際理論科学センターとアラハバード市のハリス・チャンドラ研究所に弦理論の大きな研究グループがありますが、私のセミナー講演には、ビデオ会議でバンガロールとアラハバードのグループも参加してくれました。
夕方にはムンバイ市内のネルー・プラネタリウムで、一般講演会と科学映像作品『9次元からきた男』の上映会をしました。ボリウッド・デビューです。
せっかくの機会なので、インドの民族衣装のクルタの上にネルー・ジャケットを着て講演しました。
上映後にはスタンディング・オベーションがあるなど、
会場には、タタ財団の理事の方々やインド準備銀行副総裁など政財界の方々、
さて、3月にホーキングさんがお亡くなりになったので、雑誌『日経サイエンス』6月号に「ホーキング追悼」の特集がありました。
ホーキングの業績についての記事を依頼されたので、書いてみたら、9000字、紙面で7ページになってしまいましたが、そのまま掲載していただくことができました。「ホーキングの遺産」というタイトルです。
また、この特集では、最初にカブリIPMUの村山斉機構長の2ページのインタビュー、ホーキング自身の解説記事「ブラックホールの量子力学」も掲載されています。
私の記事の前書きを再録します:
「理論物理学者には,抽象的・概念的な思考に長けている人と,具体的な問題を解くための数理的な技術に長けている人という2つのタイプがある。だがこの3月14日に生涯を終えたホーキング(Stephen W. Hawking)は,大胆な発想と概念的な思考とともに,そのアイデアを最後まで突き詰めることのできる強靭な数理技術を併せ持つ稀有の科学者であった。英オックスフォード大学のペンローズ(Roger Penrose)との共著の宇宙の特異点定理の証明や,ブラックホールの蒸発を予言したホーキング放射の論文はとりわけ名作であり,読むたびごとに以前には気がつかなかった新しいアイデアが見つかる。彼が科学に記した足跡を振り返ってみたい。」
by PlanckScale
| 2018-05-03 12:15