2018年 08月 06日
Strings 2018 |
6月の最後の2週間の国際会議、2つ目は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催した Strings 2018 です。Strings は 1989年にテキサスA&M大学で初めて開かれました。1995年以来は、23年間毎年開催されている、超弦理論では最も重要な国際会議です。
私は、1998年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校にあるカブリ理論物理学研究所で開かれた Strings '98 と 2003年に京都の国際会議場で開かれた Strings 2003 で組織委員を務めました。
今回の Strings 2018 では、組織委員長となりました。
OISTで開催していただくために、4年まえから準備を始め、2年前には超弦理論アジア冬の学校を開催しました。昨年、イスラエルのテルアビブで開かれた Strings 2017 では、Strings 2018 を沖縄で開催することを正式に発表しました。
しかし、超弦理論が大きく発展し、さまざまな分野とのつながりができてくると、数人の組織員会ではすべてに目配りをすることができず、偏った内容になる恐れがありました。
また、優秀な大学院生やポストドクトラルフェローが出てきているので、彼らの成果をきちんと評価し、発表の機会を与えることも重要です。
そこで、今回は、新進気鋭の若手研究者11名にプログラム委員になってもらい、プレナリー講演者とレビュー講演者を選定してもらいました。
初めての試みでしたが、とても素晴らしいプログラムだったと評判でした。
右上の写真は、プログラム委員の方々にお礼をするために、会議の最終日に開いた夕食会の様子です。
Strings 2018 では、定員500名のOIST大講堂がほぼ満員となり、これまでの Strings の中でも最大級の会議になりました。
国別の参加者数は、多い方から並べると(括弧の中は参加者数):
1. 米国 (105)
2. 日本 (94)
3. インド (44)
4. 韓国 (23)
5. 中国 (15)
5. ドイツ (15)
5. 英国 (15)
8. ベルギー (12)
9. カナダ (10)
9. オランダ (10)
11. イタリア (7)
11. スウェーデン (7)
開催国の日本より、米国からの参加者が多いのは、研究者の層の厚さを反映しているのでしょう。
インドが3位になっているのは、昨年の1月に私がインドに行ったときに、インフォシス財団の方にお会いして、インドからの参加者向けに多額の寄付をいただくことができたからです。
ベルギーが8位にいなっているのは、来年の Strings 2019 の開催国だからでしょうか。
大学・研究組織別には、このような順位になりました:
1. KEK(総研大) (17)
2. 東京大学(Kavli IPMUを含む) (16)
3. Caltech (12)
3. ハーバード大学 (12)
3. プリンストン大学 (12)
3. OIST (12)
7. プリンストン高等研究所 (10)
7. タタ研究所 (10)
9. 京都大学(基礎物理学研究所を含む) (9)
10. 東京工業大学 (8)
11. バンガロール国際理論科学センター (7)
11. 大阪大学 (7)
11. ソウル国立大学 (7)
講演のスライドやビデオは、こちらから見ることができます。

過去を振り返るだけでなく、未来を展望するセッションにしようということで、
- 弦理論の創成期の代表として:ガブリエレ・ベネチアノさん、ジョン・シュワルツさん、マイケル・グリーンさん
- 1995年の超弦理論双対性革命のときに大学院生だった:フアン・マルダセナさん、シラツ・ミンワラさん、エバ・シルベスタインさん
- 21世紀になってから博士号を取った:ダニエル・ハーローさん、ダグラス・スタンフォードさん、シ・インさん
に講演をしていただきました。
司会は、デイビッド・グロスさんにお願いしました。
上の写真が、その様子です。
左の写真は、菅原さんのスピーチの様子です。
- ピーター・フロイントさん(1936-2018)
- スティーブン・ホーキングさん(1942-2018)
- ジョセフ・ポルチンスキーさん(1954-2018)
が相次いでお亡くなりになりました。
そこで、バンケットでは、
- シカゴ大学でフロイントさんと親交が深かった:ジェフリー・ハーベィさん
- ケンブリッジ大学でホーキングさんのルーカス教授職を継いだ:マイケル・グリーンさん
- ホーキングさんの晩年の共同研究者だった:アンドリュー・ストロミンジャーさん
- ポルチンスキーさんが所属したカブリ理論物理学研究所の所長を務めた:ディビッド・グロスさん
に追悼のスピーチをしていただきました。
右の写真は、グロスさんがポルチンスキーさんの追悼スピーチの様子です。
水曜日には、「文化の夕べ」と題して、著名な伝統舞踊楽団などにより琉球舞踊が披露されました。
沖縄で開催するということで、天気も気になりました。
沖縄では、梅雨明けは6月の後半だと聞いていましたので、過去の気象データも参考にして、6月の最後の週に開催することにしました。
梅雨が明けると、台風が心配になりますが、梅雨明け後の1週間ぐらいは、高気圧が張り出してくるので、大丈夫だろうということでした。
ふたを開けてみると、Strings 2018 開催直前の週末に梅雨明け宣言となりました。
会期中はよい天気が続いたのですが、最終日の金曜日の午後に台風が発生し、週末には沖縄に接近するという連絡がありました。そこで、最後のセッションの直前にアナウンスをし、週末まで滞在予定の人には予定を繰り上げて帰ることをお勧めしました。
幸い、ほとんどの参加者は土曜日に無事沖縄を発ち、週末滞在した人たちも、台風通過後の月曜日の飛行機で帰ることができました。
翌日の土曜日には、同じく組織委員の大阪大学の橋本幸士さんと、OISTで一般講演会を行いました。台風が近づきつつある天気でしたが、300名を超える参加者がありました。
講演会の様子は、こちらのビデオで見ることができます。
一般講演会の後は、OISTの研究者のために、英語での講演も行いました。
月曜日には、東京で会議に出席する必要があったので、講演会の後、そのまま那覇空港へ。何とか最終便に乗ることができて、台風が来る前に東京に戻ってきました。
今回の会議では、OISTの皆さんにとてもお世話になりました。ありがとうございました。
OISTのウェブサイトにも、Strings 2018についてのニュース記事が掲載されていますので、よろしければそちらもご覧ください。
by PlanckScale
| 2018-08-06 08:07














