2021年 03月 25日
『探究する精神』の見本が届きました |
幻冬舎新書から『探究する精神』の見本がとどきました。
店頭にも並び始めているそうです。
幻冬舎のウェブサイトでは、本書の抜粋が公開されています。
このブログ記事では、本書第2部「武者修行の時代」からプリンストンの高等研究所に向かう部分の抜粋を載せることにします。
その下に、参考文献のリストをコピーして貼っておきました。【参考文献】と書いてあるところをクリックしていただくと開きます。
プリンストンの高等研究所へ
翌1988年の8月末、私はプリンストンに向かいました。米国の研究所に行くのは初めてでした。ニューヨークのケネディ国際空港に到着し、地下鉄でマンハッタンへ。
そこでアムトラックに乗り換えてプリンストン・ジャンクションという駅で降り、そこから出ている一駅だけの盲腸線「ディンキー」に乗って、ようやくプリンストンの駅にたどり着きました。
駅でうろうろしているとプリンストン大学の新入生だと思われたようで、駅員のおばさんが声をかけてくれました。おばさんは別の新入生の親子が駐車場に向かうのを見つけて、「この子も乗せてってあげてよ」と頼んでくれました。
お父さんに行き先を聞かれたので「高等研究所です。オルデン・レーンという通りにあるそうですが」と答えると、「それなら知ってるよ」とおっしゃいます。しかし、行ってみるとそれらしき建物はありません。道の標識をよく見ると、そこは「オルデン・レーン」ではなく「オルデン・ストリート」でした。近くを歩いていた人に聞くと、オルデン・レーンはゴルフ場の反対側とのことでした。そこまで送ってくださることになったのですが、かなり距離があるので申し訳ない気持ちでした。
ゴルフ場の外に広がる高級住宅街を進んで行くと、目の前に広大な芝生が現れました。そして、そのはるか向こうに鳥が翼を広げたようなコロニアル様式の建物が見えます。高等研究所本館のフルド・ホールです(上の写真)。
お父さんにお礼を言うと、「私はプリンストン大学の卒業生だけど、ここに来たのは初めてだ。いいものを見せてもらって、ありがとう」と言って去っていきました。
参考文献
- グレゴリー・ザッカーマン、水谷淳訳『最も賢い億万長者』上下巻(ダイヤモンド社)
- 『なぜなぜ理科学習漫画』全12巻(集英社)
- 『子どもの伝記全集』全46巻(ポプラ社)
- 都筑卓司『はたして空間は曲がっているか――誰にもわかる一般相対論』(講談社ブルーバックス)
- 都筑卓司『マックスウェルの悪魔』(講談社ブルーバックス)『万有百科大事典』全二一巻(小学館)
- 戸田盛和『おもちゃセミナー――叙情性と科学性への招待』(日本評論社)
- 中谷宇吉郎『雪』(岩波文庫)
- ガリレオ、山田慶兒・谷泰訳『偽金鑑識官』(中公クラシックス)
- プラトン、加来彰俊訳『ゴルギアス』(岩波文庫)プラトン、久保勉訳『ソクラテスの弁明 クリトン』(岩波文庫)
- デカルト、谷川多佳子訳『方法序説』(岩波文庫)
- カント、中山元訳『純粋理性批判』全7巻(光文社古典新訳文庫)
- クロード・レヴィ= ストロース、福井和美訳『親族の基本構造』(青弓社)
- マルクス・ガブリエル、清水一浩訳『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)
- ポアンカレ、吉田洋一訳『改訳 科学と方法』(岩波文庫)
- 朝永振一郎『物理学とは何だろうか』上下巻 (岩波新書)
- 高木貞治『近世数学史談』(岩波文庫)
- E・T・ベル、田中勇・銀林浩訳『数学をつくった人びと』全三巻(ハヤカワ文庫NF)
- 加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)
- 丸谷才一『年の残り』(文春文庫)
- マルクス・アウレーリウス、神谷美恵子訳『自省録』(岩波文庫)
- 高田瑞穂『新釈現代文』(ちくま学芸文庫)
- 澤瀉久敬『増補「自分で考える」ということ』(角川文庫)
- 高木貞治『定本 解析概論』(岩波書店)
- コルモゴロフ+フォミーン、山崎三郎+柴岡泰光訳『函数解析の基礎』(岩波書店)
- 浅野啓三+永尾汎『群論』(岩波全書)
- 松島与三『多様体入門』(裳華房数学選書)
- Herbert Goldstein, Classical Mechanics, Addison-Wesley.
- Leonard Schiff, Quantum Mechanics, McGraw-Hill.
- 今井功『流体力学(前編)』(裳華房物理学選書)
- 渡邊二郎編『ハイデガー「存在と時間」入門』(講談社学術文庫)
- ファインマン+レイトン+サンズ、坪井忠二他訳『ファインマン物理学』新装版 全5巻(岩波書店)
- R・P・ファインマン、大貫昌子訳『ご冗談でしょう、ファインマンさん』上下巻 (岩波現代文庫)
- 『ランダウ= リフシッツ理論物理学教程』全17巻(東京図書・岩波書店)
- 湯川秀樹監修『アインシュタイン選集』全3巻(共立出版)
- A・ヴェルジェス+D・ユイスマン、白井成雄他訳『哲学教程――リセの哲学』上下巻(筑摩書房)
- 本多勝一『日本語の作文技術』(朝日文庫)
- 清水幾太郎『論文の書き方』(岩波新書)
- 木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)
- 谷崎潤一郎『文章讀本』(中公文庫)
- William Strunk Jr., E. B. White, The Elements of Style, Macmillan.
- W・ハイゼンベルク、山崎和夫訳『部分と全体――私の生涯の偉大な出会いと対話』(みすず書房)
- リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー、永井清彦訳『荒れ野の40年――ヴァイツゼッカー大統領演説全文』(岩波ブックレット)
- F・ダイソン、鎮目恭夫訳『宇宙をかき乱すべきか――ダイソン自伝』(ダイヤモンド社)
- 朝永振一郎『鏡のなかの世界』(みすず書房)
- 朝永振一郎『科学者の自由な楽園』(岩波文庫)
- 村上陽一郎『新しい科学論――「事実」は理論をたおせるか』(講談社ブルーバックス)
- 湯川秀樹『旅人――ある物理学者の回想』(角川ソフィア文庫)
- シュレーディンガー、岡小天+鎮目恭夫訳『生命とは何か――物理的にみた生細胞』(岩波文庫)
- アインシュタイン+インフェルト、石原純訳『物理学はいかに創られたか』上下巻(岩波新書)
- 山本義隆『磁力と重力の発見』全三巻(みすず書房)
- 国谷裕子『キャスターという仕事』(岩波新書)
- Sidney Coleman, Aspects of Symmetry, Cambridge University Press.
- N.D. Birrell, P.C.W. Davies, Quantum Fields in Curved Space, Cambridge University Press.
- ジョセフ・ニーダム、東畑精一+藪内清監修『中国の科学と文明』全11巻(思索社)
- C・ラージャーゴーパーラーチャリ、奈良毅+田中嫺玉訳『マハーバーラタ』上中下巻(レグルス文庫)
- レイ・ブラッドベリ、北山克彦訳『ベスト版 たんぽぽのお酒』(晶文社)
- エイブラハム・フレクスナー+ロベルト・ダイクラーフ、初田哲男+野中香方子他訳『「役に立たない」科学が役に立つ』(東京大学出版会)
- Jeremy Bernstein, The Life It Brings, Houghton Mifflin Harcourt.
- キケロー、大西英文訳『弁論家について』上下巻(岩波文庫)
- D・O・ウッドベリー、関正雄他訳『パロマーの巨人望遠鏡』上下巻(岩波文庫)
- 新井紀子『AIvs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)
- Jerome Karabel, The Chosen: The Hidden History of Admission and Exclusion at Harvard, Yale, and Princeton, Mariner Books.
- スティーヴン・W・ホーキング+ジョージ・F・R・エリス、富岡竜太他訳『時空の大域的構造』(プレアデス出版)
- マイケル・ホスキン、中村士訳『西洋天文学史』(丸善出版)
- 戸塚洋二著、立花隆編『がんと闘った科学者の記録』(文春文庫)
- スティーヴン・ワインバーグ、赤根洋子訳『科学の発見』(文藝春秋)
- アリストテレス、山本光雄訳『政治学』(岩波文庫)
- 吉見俊哉『大学とは何か』(岩波新書)
- 村上陽一郎『工学の歴史と技術の倫理』(岩波書店)
- マックス・ヴェーバー、清水幾太郎訳『社会学の根本概念』(岩波文庫)
- 橋本和仁『田んぼが電池になる!』(ウェッジ)
- 山口栄一『イノベーションはなぜ途絶えたか――科学立国日本の危機』(ちくま新書)
- フェリックス・クライン、足立恒雄他訳『19世紀の数学』(共立出版)
- アリストテレス、出隆訳『形而上学』上下巻(岩波文庫)
- トマス・アクィナス、山本耕平訳『トマス・アクィナス 真理論』上下巻(平凡社)
- トマス・アクィナス、高田三郎+山田晶+稲垣良典他訳『神学大全』全四五巻(創文社)
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| 2021-03-25 06:47