2009年 07月 29日
Unity of String theory |

今週から、私が企画したUnity of String Theoryのワークショップが始まりました。MITのホン・リュウさんとカナダのマクギル大学のアレックス・マロニィさんにも組織委員になってもらいました。アスペンでは、毎年超弦理論のワークショップが開かれてきましたが、ここ数年は「超弦理論と宇宙論」とか「超弦理論と現象論」というように、他分野との交流を促進することを主眼とした会が開かれてきました。そこでもう一度、超弦理論のいろいろな側面を研究している人たちを集めて、これまでの発展を総合し、新しい方向性を探ろうと言う趣旨でUnityというタイトルにしました。
週のうち火曜日と木曜日の午前中だけが全体のミーティングで、そのほかの時間は各自の研究や議論に充てるというリラックスしたスケジュールです。今日は、最初のミーティングでした。来週からの講演者はまだ決めていないので、出席者のリストと紙をまわして、講演して欲しい人の名前を募ることにしました。
天気がよかったので、屋外のセミナー会場を使いました。ミュージックテントからのリハーサルの音も聞こえてきます。
最初の講演者は、以前Caltechでポスドクで、現在はイスラエルのテクニオンにいるオレン・バーグマンさんです。M理論のメンブレーン上のチャーン・サイモンズ型理論についての最近の発展のまとめをしていただきました。この方面はこの2年間の間に膨大な論文が出版されましたが、それをうまくまとめた講演だったと思います。私がよくわかっていなかったこともきちんと説明してくれて、勉強になりました。
2人目は、現在Caltechのポスドクをしている、サクラ・シェファー=ナメキさんでした。F-理論を使った素粒子模型の構成についてで、前半は素粒子模型のもととなる複素4次元のカラビ・ヤウ多様体の局所的な構造について、後半はそれをコンパクトなカラビ・ヤウ多様体にどのように組み込むことができるかという話でした。現象論の人も出席していて、激しい突っ込みもありました。

ピクニックのときに教えていただいた論文を読んでみたら、勉強になりました。ありがとうございます。
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by planckscale
| 2009-07-29 14:05
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